生活習慣病とは、食事・運動・休養・喫煙・飲酒などの生活習慣が、その発症や進行に関与する病気のことを指します。生活習慣病には、主に以下のような病気があり、日本人の健康に大きく影響するものが多いです。

• 糖尿病
• 脂質異常症
• 高血圧
• 大腸がんや肺がんなどに代表されるがん
• 脳卒中
• 心臓病など

生活習慣病には予後不良のものも多いため、予防が重要といえます。

生活習慣病の発症は、その名前からも示唆されるように「日々の生活習慣」が深く関係しています。具体的には、食習慣や運動習慣・休養・喫煙・飲酒などです。たとえば、カロリーの過剰摂取は糖尿病につながります。また、睡眠が十分に取れていない状況では高血圧につながる可能性があります。
しかし、これらの要因が一対一対応で糖尿病や高血圧などの病気につながるわけでなく、生活習慣が複合的に組み合わさり生活習慣病が発症します。また、家系に糖尿病、高血圧の方がいらっしゃると、生活習慣病になるリスクが高くなると考えられています。

生活習慣病の高血圧や脂質異常症、糖尿病などを発症した初期の段階では、特に大きな自覚症状はありません。しかし、生活習慣病が長年持続すると、重篤な症状が生じるようになります。
たとえば、糖尿病では、目が見えなくなる・腎臓を悪くして透析が必要になる・手足の感覚が鈍くなるなどの状態となることがあります。また、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙の4因子は特に動脈硬化を促進し、これらの危険因子が多ければ多いほど、脳卒中や心筋梗塞など生命に直結する重大な病気を引き起こすことが知られています。
また、生活習慣病の延長には、肺がんや大腸がんなどの悪性疾患をみることもあります。このように、生活習慣病では症状がない状態から、身体の機能を著しく低下させる重大な疾患へ移行するリスクがあり、自立した健康な生活を長く送るためにも早期から取り組みが必要です。

食事や運動をはじめとする生活習慣の見直しなど発症予防が大切ですが、早期発見も重要です。健康診断における体重測定や血圧測定は、肥満や高血圧の発見に役立ちます。また、血液検査を通して糖尿病や脂質異常症を初めて指摘されることもあります。さらに尿検査では腎臓の病気が指摘されることもあります。がんの早期発見を目的とした健診として、大腸がんに対する便潜血検査、前立腺がんに対する採血検査、肺がんに対する胸部単純レントゲン写真なども有用です。

健診などで高血圧や脂質異常症、糖尿病を指摘された場合には医療機関を受診し、診断、治療の適応評価をお勧めします。
まず治療としては以下のような取り組みが重要です。

• 禁煙
• 食生活の見直し
• 活動量、運動量の増加など

その上で、さらなる血圧や血糖値などのコントロールが必要な場合には薬物治療の開始を検討しましょう。
高血圧や糖尿病が長らく放置されていた場合には、早急に治療開始を要する場合もあります。